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明治21年に創業、平成20年には創業120周年を迎えた老舗企業ロブテックス。当初は理髪用バリカンの製造で知られた。昭和初頭にモンキレンチの製造を始めてから、今では作業工具、省力工具、ダイヤモンド工具、配管工具、ファスニングツール等を扱う総合工具メーカーとなった。
同社は「腰が曲がるまで使える丈夫な工具を、という思いと縁起をかついだ」ことが由来の「エビ印ブランド」として有名で、実際「エビ印は丈夫だ」というユーザーの声は引きも切らない。

「昔は工具には強度が求められていました。しかし今では強度が高いのは当たり前。それに加えて使いやすさが求められているのです」と話す木村士郎社長。従来、工具類にJIS規格の取得は必須と考えられていた。同社が「薄く軽く女性でも使いやすい」ことをコンセプトに開発したモンキレンチは、グリップの長さがやや短いためJIS規格からは外れているが、赤、青、緑等の豊富なカラーバリエーションで見た目の良さも追求し、ユーザーの高い評価を得た。JIS規格外工具は業界としても初だったが、現在では他社もこぞって追随している。
ヘッドが360度回転し、狙った箇所を正確に打ちつけることができるエアーリベッターも、最高レベルの安全性を求められる航空機産業で採用されることを目指し、TV番組にも取り上げられる等話題を集めている。

「企業が長生きするには時代に変化することが大事」―。社長は企業そのものの在り方も常に問い続けてきた。
同社では生産機能はすべて鳥取工場に移管、東大阪市の本社は研究センターとして位置づけるなど、各拠点の機能を明確化した。また在阪工具メーカーを中心に結成したネットワーク「アクティブ21」では仕入れ・配送等を共同で行い、国産工具の優れた品質を世界に広めていく考えだ。
「ただやみくもに変化するわけではありません。当社エビ印の基準を保ったうえで時代のニーズに対応していきます。図面を見ているだけでは解らないこと、それは手に持った感触です。これを大事にしていきたい」。 エビ印の基準とは数値のことだけではない。現場感覚を忘れないことにあるのだ。

作業工具、省力工具、ダイヤモンド工具、配管工具、ファスニングツールの製造 等