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西當和久社長の義父である前社長の西當信男氏が創業した。造船用照明の板金加工を手がけていたことから、照明器具の特注品メーカーとして大阪府東大阪市内で独立した。「入口を開けていれば仕事が入ってきた時代もあった」と西當社長は話す。しかし、平成12年頃に取引先の明器具メーカーの海外進出などで、量産型の仕事が減った。
その後、大型店舗が郊外に進出したり、東京方面の再開発事業などがけん引し、売り上げが再び増加。平成20年のリーマンショックで仕事量が減ったのを契機に、これまで忙しさから後回しとなっていた社内の勤務体系を整理した。

蛍光灯の曲げ、タレットパンチプレス加工そしてスポット溶接を得意としており、多様な形の製品を取引先の照明器具メーカーに提供できることで評価されていた。ただ、平成24年に政府から発表された「日本再生戦略」でLED (発光ダイオード)などの高効率な照明の普及が謳われるなど、同社が手がけていなかった分野に照明業界がシフトした。「自社で70%を占める仕事がゼロになった」と西當社長は振り返る。
苦しい状況の打開策を模索していた平成26年8月、農地に囲まれている同社周辺で虫が大量発生して、社内に虫が流入した。夜間作業をやめて工場の稼働を17時までにするなどの対策を打ったが、この煩わしさに対応する設備の開発を考えるようになった。

虫の大量発生により捕虫器の導入も検討したが、1年のうち使用するのは夏期のみ。これまで培ってきた照明器具の生産の応用で、捕虫器を開発できるのではと気付いた。1年のうちの1シーズン使用する捕虫器を外部から購入するのは、戸惑いがあった。「それで自社で作ってみようとなった」と西當社長は振り返る。
早速開発に着手し、平成27年1月までに捕虫器「トレテーラ」が完成。平成28年3月にインターネットで販売を開始した。販路開拓に骨を折ったが、「自社製品を手がけることで若手社員のモチベーションがあがり、社内の雰囲気が良くなってきた」と西當社長は顔をほころばす。

平成21年と平成26年にタレットパンチプレスを導入するなどして、設備の更新を進めてきた。「古いプレス機器を処分して、空間を作っていきたい」西當社長は話す。今後も新たな設備を入れ、効率的な生産体制を構築していくねらいだ。
製品展開の面では、「トレテーラ」の販売と「トレテーラ」以外の新規開発に力を入れる「トレテーラ」は100%下請けの状態から脱却を図るきっかけとなった。これまでの販売によりあぶり出した消費者のニーズを汲み取り、平成28年11月に「ワークスタンド」シリーズを発売。作業補助スタンドで、今後は太陽光パネルの搭載も視野に入れている。

現会長の西當信男が照明器具の板金加工会社を経て、独立。大阪府東大阪市に「西當照明製作所」としてスタートしました。会長の西當の努力と、国内の高度経済成長を背景に順調に業績を伸ばしました。本社移転を繰り返しながら業容を拡大し、昭和59年に現在地に移転。平成16年に西當和久が社長に就任しました。

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