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固有技術を必要とする自動車用トルクコンバータクラッチを中心に、産業用ロボット、油圧機器等の各部品の製造を手がける中農製作所。中でもアルミや真鍮、チタン等の異素材や異形品加工を得意としている。
特殊加工の秘訣について、弱冠28歳で次期社長に指名された若手のホープ、西島大輔工場長が語る。
「異素材・異形品加工を得意とする秘密は、自社で開発した治具にあります。特殊治具のおかげで、通常では難しい肉厚の薄い真円部品等、高難度の加工も可能です。さらなる難削材へも積極的に挑戦しますよ」。
一方、加工現場の悪臭防止、コスト削減を目的に、抗酸化型の微生物とセラミックスを併用する切削液腐敗防止システムを開発。環境への対応も欠かさない。

同社の特長は技術力だけではない。顧客重視のシステム構築にも力を注ぐ。西島工場長は言う。
「初めての加工の場合、特に綿密な打ち合わせを行い、情報を共有します。過去データの参照も重要。省力化だけでなく、ヒューマンエラー減少にも効果を発揮します」。
安定供給と短納期対応のため、品質管理と生産管理にも細心の注意を払う。可能な限り、リードタイムを短縮し、ロットサイズを小さくするため、わずかな不具合も徹底的にチェックする。
データのデジタル化や管理システムの構築は、柔軟な生産体制へと結実する。少量生産、大量生産のどちらかに特化する企業が多い中、同社では「試作品を一つ」との注文から、「十数万個のオーダー」にまで対応できる体制を創り出し、維持し続けているのだ。

「精密切削加工」と「組立」を得意とする中農製作所。東大阪のものづくりネットワークを活かし、専門企業約30社との提携をすすめ、素材調達から組立までの一貫受注生産体制を確立、顧客のニーズに応えている。さらに専門企業との連携の中で、自社にない技術の研究、確保に力を入れてきた。社長は言う。
「責任ある仕事を重ね、安心と信頼、信用を得ることが大切。『中農製作所に頼めば大丈夫、まず相談しよう』と考えてもらえるような製品を提供し続けます」。

自動車用トルクコンバータクラッチ、省力化機器、油圧機器、産業機械用減速機、建設用機械の各部品製造・組立 等