ものづくり企業発見!企業インタビュー

中小企業総合展2013 in Kansai 出展企業の紹介

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伝える技術、展示技術、人脈、すべてが広がった

株式会社テンキング エンジニアセールス 西島 愼也 氏

株式会社テンキング
エンジニアセールス 西島 愼也 氏

会社名株式会社テンキング
住所〒577-0006
大阪府東大阪市楠根1丁目7-46
電話番号06-6746-7566
代表者名代表取締役社長 金星 章大
設立1970年(昭和45年)
事業内容ビデオ/カメラ用精密金属部品
自動車用精密金属部品
ビデオ/カメラ用精密組立部品

社内全体で自社の強みを再認識

中小企業総合展の展示写真

ビデオやカメラに用いる精密部品の切削加工事業などを手がける株式会社テンキング。近年はタイにも工場を設置し、高精度と低コストを実現するべく取り組んでいる。セミナーに参加された西島愼也氏は、かつて一度だけ上海の展示会に参加した経験があるそうだ。

「今思えば、上海の展示会では成果物を並べて、展示会用に作ったオリジナル製品をただ並べただけでした。当時に比べると、今回の展示は格段にレベルアップしました」

セミナー初回までの宿題だった『自社の強みを考える』ところから、学びの連続だったという。
「自社の強みを客観的に見て表現するのは、本当に難しかったですね。社内で強みを考える会議を重ね、実際に当社はどんな仕事ができるのか、というところから改めて考えました。当社のキャッチコピー『高精度・小ロット発注。タイと日本で完全サポート。技術と精度で私達が解決!』は、会議で出た案を社長がまとめる形で作ったんです。これができただけでも参加した価値は十分にありました」

また、展示会用に制作したパンフレットにも、セミナーで学んだことを生かせた、と西島氏。
「セミナーの先生の話をもとに、日本で製造する企業との競合を意識し、タイでも日本と同じ技術レベルの製品を納品できるという視点でパンフレットを作りました。セミナーがなければ、ただ実績や紹介文を並べるだけになってしまい、筋が通らない内容になっていたでしょうね」

立体的な展示方法に目からウロコ

セミナー受講後、『中小企業総合展』に出展した際、早速セミナーの内容が実践につながったという。
「展示ブースの並べ方は自分で考えたのですが、展示ブースの見せ方についての講義で、先生から『小物部品は平らな場所に並べずに、立体的にして並べた方が見栄えが良くなる』という話を聞いたんです。すぐに台を自作して実践しました」
西島氏は、セミナーでの学びを実践することで、展示場に立つ時に自信を持つことができたという。この自信が訪問者との良好なコミュニケーションや良い出会いにつながったと実感している。

「ブースに来られた方と自信を持って話をすることができたのは、説明する時を考えてブースを作ったから。上海で初めて展示会に出た時は不安しかなかった。こうした自信や不安は、相手に伝わるのでしょうね」
今後も、今回の学びをさらに生かしていきたいと考えているようだ。

「実は、大阪本社で取り組み始めている新事業のパンフレット制作を予定しています。ここで学んだことをさらに実践するつもり。まだ伝えられていない自社の強みを伝えられるようになるためにも、ぜひ同様のセミナーがあれば再び参加したいですね」

最大の収穫は参加企業同士の仲間意識

10社が全員で学び、共同で展示会に出展するという形式だった今回のセミナー。期間中、受講した10社間の関係は深まり、信頼できる仲間になった。

「仲間意識が醸成されていきましたね。例えば、隣のブースの人が休憩している時に誰かがブースに来られたら、チラシを渡して案内したり・・・。最終日の頃には、全員が『10社が集まるMOBIOブースに、たくさんの人が来て欲しい!』という気持ちだったと思います。私も自社のチラシだけではなく、MOBIOブースのチラシも配布して呼び込みをしました」
こうした仲間意識が、展示会後に思わぬ企業との協業関係につながった。

「セミナー前には競合だと思っていた別の参加企業さんと、仕事やクライアントを融通し合う協業関係が生まれました。実は、名刺交換した大手メーカーの方と商談が始まったり、実際に取引開始した企業もでるといった成果も生まれています。でも、個人的には10社間で何かが生まれたことの方がうれしいですね」
他社ブースの見え方もまったく変わった、と語る西島氏。今後は動きのある展示にもチャレンジして、より多くの人々にテンキングを知ってもらうことを目指すつもりだ。

 取材日:2013年6月27日(木) ライター:中直照((株)ショートカプチーノ)