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EGで行こう!

大阪府を中心に「産学公民金」が連携し企業の“発掘と育成”に取り組む、大阪版エコノミックガーデニング「EGおおさか」。
EGなキーパーソンや支援機関の取組みなど、毎号広域な視点でご紹介します。

垣根を越えたコミュニケーションから生まれる「地域連携」の新しいカタチ。

学生が企画した「茨木バニラホップ」

「里山プロジェクト」では茨木の山間部から採取した苗木をキャンパスに植樹

今年4月に開設した、立命館大学 大阪いばらきキャンパス(以下OIC)。
経営学部および経営学研究科、政策科学部および政策科学研究科、テクノロジー・マネジメント研究科、経営管理研究科が移転し、来年4月には総合心理学部の設置を構想している。
OICでは塀を設けず、市民が気軽に立ち寄り、学生がいつでもキャンパスを飛び出すことのできる「開かれたキャンパス」を目指している。その象徴ともいえる存在が「立命館いばらきフューチャープラザ」だ。
各種ホール、図書館、レストラン、研究・産学連携施設などを整備。商工会議所が、全国で初めて大学内に入居し、学問とビジネス・産業、行政の連携を進める。「文系の産学連携事例として、学生のアイデアを取り入れた商品や街のデザインなどを考えている。
それと人材育成。学生も企画から入ることで、コミュニケーション力が育まれていきます」(茨木商工会議所・木村正文専務)。
キャンパス開設を機に開催された「いばらき×立命館DAY」では、早くもそれが実践された。当日発売されたソフトクリーム「茨木バニラホップ」は、企画から販売までを立命館の学生が担当し、茨木商工会議所とソフトクリームを日本に初めて紹介した株式会社日世(本社茨木市)、サッポロホールディングス株式会社が共同開発。今後も茨木産の食材を使った名物の開発を予定している。
産学連携では、仲を取り持つコーディネーターの役割が極めて重要になるが、商工会議所とともにそれを担うのがOICのリサーチオフィスだ。同オフィスの使命は、まさに産学連携、共同研究・受託研究支援の二本柱。
「今はどのような分野のニーズとシーズを、どうマッチングさせるか、方向性を探っている段階です」(飯田正志課長)。
その試みとして、商工会議所で月1回開催する、経営に関するワンストップ相談会に、立命館大学が協力する形でOB弁理士を紹介したことで、“知的財産相談”コーナーが今年度より新設されることになった。
「地域・社会に開かれたキャンパス」をコンセプトに地域連携課も設けられ、構内には市民と学生の交流を生み出す仕掛けが用意されている。
2012年に開始した「里山プロジェクト」や2014年春に発足の「ガーデニングプロジェクト」は、キャンパスの10年、20年先を見据えた活動として、すでに大勢の地域住民が参加。
「里山プロジェクト」は、失われつつある茨木の里山の構成種を採取し、植栽・再生するというもの。
「時間経過とともに移り変わる里山の過程を体験する。そういった体験ができるのは大学のメリット」(政策科学部・服部利幸教授)。
参加者がライブラリーを育てていく市民主導の「まちライブラリー」も含めたこれらのプロジェクトはいずれも、立場や世代を超えてコミュニティをつくり、交流を通じて新たな潮流を生み出す可能性を秘めている。地域と大学、企業と大学、学生と市民がつながることによって大きな力を発揮し、このエリアが地域創生の牽引力になっていく。

茨木商工会議所
http://www.ibaraki-cci.or.jp/
茨木市岩倉町2-150 立命館いばらきフューチャープラザ1F
TEL 072-622-6631

立命館大学 OICリサーチオフィス
TEL 072-665-2570
立命館大学 OIC地域連携課
TEL 072-665-2550
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/r2020/campus/oic/
茨木市岩倉町2-150 立命館大学 大阪いばらきキャンパス(OIC)