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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。

日本の技術開発を加速させる、若き匠集団。
技術力×提案力で牽引する「開発型加工会社」。

貼合、剥離加工を複合的に操り、材料の特性やロットごとに厚みムラなどを把握しなければ扱えない、高度な技術を要する4層同時ラミネートも可能

顧客からの要望で2013年に誕生したLABO。研究室実験から機械設計まで幅広く対応する

近年、モバイルIT機器、次世代自動車、新エネルギーなどの分野で、小型化・軽量化に加え、多機能化が進み、限られた空間に実装する部品点数が増加している。「ディスプレイに使われる薄い多機能フィルムなど、“小さくて容量多く”が電子部品の現在の在り方。そこには、薄いものほど得意な私たちの技術が注ぎ込まれています」。そう語るのはMRS株式会社開発営業の野村亮氏。開発者の想いを形にすることを使命と捉え、「不可能を可能に」を合言葉にさまざまな技術で解決していく。同社はフィルムを特定用途に合わせてカットする、スリット加工業として1990年に創業。その後、顧客のニーズに応じて基材を金属箔に広げ、基材同士を接着させるラミネート加工も手がけるようになった。最近はロールに熱を加え、熱と圧力で溶着させる加工が増えているという。粘着剤を使わないため、環境にもやさしく、また粘着層が一層減ることで、より薄く仕上げることができる。このラミネート加工時の接着力をさらに高めるため、新たに挑んだ技術がプラズマ表面改質だ。貼り合わせる対象物にプラズマ処理をおこない、表面に新しい物性を付与させることで、表面がナノレベルで凹凸になる。それにより密着面積が増えるという原理。同社の強みは、このプラズマ処理装置をはじめ、製作機械も自社設計できる点にある。機械を専門に考えるセクションがあることで推進力が大きく違ってくる。「材料の種類や厚み、用途ごとに処理レベルの変化を求められるため、既存の装置では実現不可能なものも、オーダーメイドに近い最適な提案ができます」。ほかにも表面に傷をつけて凹凸を作るブラスト加工や、加飾性、剥離性を高めるためのエンボス加工などさまざまな表面加工を展開。またそれぞれの技術を複合的に組み合わせて、一貫加工できる高いアドバンテージを持つ。現在、主力の電子部材向けのほか、自動車、医療、建築業界などに分野を広げつつある。「刺激に満ちた会社です。技術は一度走り出したら止まらない。常に進化するもの。だから設備投資には力を入れています」。仕事があるから入れる、では遅い。未来を見据え、設備を入れたら仕事がある、という考え方だ。また技術力だけでなく、「人間力」の育成にも力を入れている。平均年齢30歳という非常に若いスタッフを中心とした活気溢れる現場は、「改革が止まらない工場」でもある。「社長の技術屋としての誇り、技術魂がすごくて。それは若いスタッフにも受け継がれています。また今やっている仕事に違和感を持つことが成長につながると考え、“違和感と気づき”というものを大切にしています」。3年前から毎週月曜日の朝8~11時におこなわれる朝礼を「気づき道場」と名付け、社員の「提案力」の向上を目指している。一人ひとりテーマを持つ技術者を集めて、それがどう進捗しているか、新しい課題は見つかったかを、社長自ら確認。この場で生まれたToDo案件は常に100を超えるストックがあるという。大阪に3拠点と中国に2つの合弁会社を構える同社で目を引くのが、本社に隣接した研究棟Laboの存在。取引先の開発者も受け入れる施設で新たな開発案件に挑んでいる。最低限必要な実験装置を備えたレンタルラボ、会議室、お洒落なカフェも設けられている。今年7月には、最先端開発案件を扱う湘南ラボも誕生予定。オープン・イノベーションの場が、技術と斬新な発想力をさらに進化させていく。

MSR株式会社
http://www.the-msr.com/
松原市天美東7-1-14 TEL 072-336-5900