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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
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加工業の夢だった「自社開発商品」で新しい扉を開く。

去年の6月に完成した「Logbee」。商品名はミツバチが蜂蜜を集めるように、ログデータをきめ細かく集められるようにとネーミング

金属プレス加工、ブレージングなど金属接合を得意とする、チトセ工業株式会社。昨年50周年を迎えた同社が、新しいジャンルへと果敢にチャレンジを始めた。無線機器のシールドケース製作を受注していた、センスプランニング株式会社の中村俊昭氏から、「中のセンサーもつくって欲しい」と依頼されたのが、そのきっかけだ。「金属加工だけをやっていた頃は難しかったが、現在はそれを可能にする人材が集まってきており、挑戦することにしました」(代表取締役、中西啓文氏)。この案件をスプリングボードにして新たな技術を磨き、さらには中村氏の勧めで総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)へも参加。これは三重大学と構造計画研究所、三重県農業研究所、そして同社が一緒になって、新しい植物工場のあり方を模索していこうというもの。その結果、生まれた商品が防水温湿度センサー「Logbee」だ。温度・湿度・照度の各センサー機能を一体化し、内蔵の920MHzの特小無線を使用して、安定したリアルタイムのデータ通信を実現。植物の成長を「見える化」し、収穫スケジュールまでコントロールできる、未来のIT農業を見据えた商品となる。当初、植物工場などに照準を絞って営業をしていたが、問い合わせをもらってわかったのが、温度・湿度を管理したい業界が意外にも多いこと。すでに橋梁工事のコンクリートの温度管理に使われ、好評を得ている。熱中症対策などにも有効なため、今後もリサーチを重ね、さまざまな業種に声をかけていくという。「加工業はみんなそうですが、自分たちで商品開発がやりたい。“チトセブランド”で商品が世に出ることが、社員にとって大きなモチベーションになりますから」。

チトセ工業株式会社
http://www.chitose-kk.co.jp/
東大阪市横小路町4-9-56 TEL 072-984-5601