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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
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ミシンは道具、使う人により変わるだから商品を作る前に、人をつくる。

ものづくり企業において、若手技術者の育成がひとつのミッションとなっているが、40年以上前からこの課題に取り組み、成功している会社がある。イワサキは、1970年に洋裁部門で大阪府で唯一の認定職業訓練校「岩崎洋裁高等職業訓練校」を事業所内に開設。新卒者を寮生として社内で教育し、技能者育成を続けてきた。
「服をつくる前に、人をつくる」。それが同社のポリシーだ。「ミシンは機械ではなく道具。使う人によってできるものは変わる。いい商品をつくるためには、道具をうまく使える人を育てなければならない」。そう語るのは、この制度をつくりあげた代表取締役会長の岩﨑靖璋氏。従業員は常時80~100名。中途採用ゼロ、短大、4年制大学、専門学校からの新卒のみを毎年10~15名採用する。新入社員は仕事を終えてから、1年間無償で同社ビル内にある職業訓練校で、社長や外部講師から基本を学び、洋裁技能士補の資格を取得していく。すでにこれまで約1,000名の卒業生を送り出してきた。
縫製や加工は手間賃とみなされ、キャッシュフローが成り立ちにくい。「だからどの会社でもやっていける資格を持つ、高い技能を持った人材を育成したかった」。同社で扱うのは高級婦人服に特化しているため、高度な技能に裏打ちされたものづくりが求められる。不況で海外に流れるかに見えた仕事も、ほかではできないため、結果的に戻っているという。これも人材育成に投資してきた大きな成果といえるだろう。

株式会社イワサキ
http://www.iwasaki-inc-div.com/
東大阪市菱屋西6-2-3 TEL 06-6781-1423

4~5名がひとつのグループになり、一着ずつ縫製。難易度の高い仕事が多く、しっかりした縫製技術が求められる

訓練校では、自分でつくったテキストを使って会長みずから、生産工学の授業を受け持つ