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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
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超精密加工のエキスパートがニーズをつかみ自社製品開発へ。

「率先して新しいことに挑戦するのは、社長である自分の仕事」。そう語るのは三恵ハイプレシジョンの代表取締役・落合良寬氏。同社は光通信や原子力発電所、医療機器などの重要な部品に必要とされる難削材を得意とする、超精密加工のリーディングカンパニー。
先代はエンジニアであり、創業当初は産業機械などの装置メーカーであった。落合氏が経営を引き継いだのはITバブル崩壊後。現状を脱却するために導き出した答えは、「自らニーズを探り当て、そこに技術の粋を注ぎ込む」自社製品の開発。それが「遠心バレル研磨機」だ。
これはバリ取りや研磨を行う加工対象物を入れたタンクを、傾斜させて揺らすように動かすことで、従来機の弱点である打痕傷や歪みが抑えられ、短時間で研磨ができるというもの。業界のニーズや課題を的確につかんでいたから生まれたアイデアだ。次のステップではそれを進化させ、性能向上を図る。さらに遠心バレル研磨機の技術を応用し、2種類以上の粉を均質に混ぜられる「揺動式遠心攪拌機」も開発。これらの開発はすべて経営革新計画の承認を受け、補助金を得て成し得たもの。
「次の展開を考える段階でタイミングよく、求める支援を受けられた」と振り返るが、それも技術力あってこそ。今後は「本業である部品加工とともに、開発・製造のイニシアティブを取れる仕事をひとつの柱として、事業の多角化を進めたい」と語った。

三恵ハイプレシジョン株式会社
http://www.sankei-pr.co.jp/
SANMIX:http://sankei-pr-mx.com/
大阪市平野区瓜破南2-3-4 TEL 06-4302-1871

「SANMIX」の内部。アダプターによって任意の容器が装着可能。常に新しい保管容器が使用できるためコンタミネーションが皆無に

均一に混ぜることが難しい粉体の分散・混合に特化して開発された、揺動式遠心攪拌機「SANMIX」。独自の自公転方式による公転運動と揺動運動の組合せによって、せん断力や流動など混合に必要な要素が得られ、短時間&低温域での分散・混合を可能にした
SANMIX:振動式遠心粉体ミキサー