MOOV,press

MOBI6

ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。

難しい加工でも、考え、工夫してつくり上げるものが「ものづくりの面白さ」。

1946年、ミシン部品を主力にプレス加工からスタートした池田金属工業。プレス・マシニングセンター・ワイヤーカットなどによる複合加工を得意とし、設計・金型製作・部品加工から完成品出荷まで自社一貫しておこなっている。
同社のものづくりスピリッツを表すこんなエピソードがある。あるメーカーから「この素材は切削でないと加工できない」とあるとき言われたが、積極果敢に取り組みプレス加工だけで製造し、先方を驚かせた。
「加工がいかに難しくても、考え工夫する。それがものづくりの面白さです」。そう語るのは、代表取締役社長の池田元一氏。もともとは多くの工場があった本社周辺も時代とともに住宅地へと様変わりし、プレス・金型部門は10年前に門真に移転。本社ではマシニングセンター加工と組立を中心におこなっている。
「人は財産」と語り、社員に自分の技術を伝えていきたいと、外部からも技術系の講師を呼び社内で200回を超える勉強会を開催した。「外で学ぶことが社長の仕事」と頻繁に勉強会に出かける、産学連携にも積極的に取り組み、新エネルギーの開発にも携わり、「次世代航空機部品供給ネットワーク」に参画する。
学び続けることの大切さは池田氏自身が体現している。同時にものづくりによって人の役に立つことを常に考え、骨伝導システムによるハンズフリーイヤホンなども開発。「ものづくりによって社会貢献することがこの仕事についた者の使命だ、と私は考えています」

池田金属工業株式会社
http://www.ikeda-kinzoku.com/
大阪市城東区関目1-20-13 TEL 06-6931-4423

最新骨伝導技術と空気伝導を組み合わせ、試聴音域を広げることができるハイブリット型イヤホン「OSONIC」。従来の補聴器だとマイクで拾った音をアンプを使って音量を上げていくため、音が割れたり音漏れもひどいが、これは適度な音量で聞くことができる。現場で使う無線通信装置にBluetoothのユニットを使えば、両手作業も可能に

MOBIOを通じて国際的なネットワークの知り合いもできたという池田氏。プライベートでも多趣味でヨット歴は45年以上。10数名の共同オーナーでクルージングを楽しんでいる