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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
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独自技術のロック機構を用いたヘッドレストパーツで医療分野へ。

向陽エンジニアリングがリクライニング金具メーカーの向陽技研から独立する形で第2創業を図ったのは3年前。根底にあるのは「日本で日本のものづくりをしたい」という強い想いだ。「向陽技研の製品の約8~9割は海外に輸出されており、成熟した事業領域でもはやパーツも進化しようがない状況。座椅子やソファで培った技術を国内向けの商品に活かし、これからは地域に根ざして世界へ発信する “glocal”へと舵を切った、新しいものづくりに挑戦したくなったんです」。そう語るのは、業界標準である座いすやソファ向けラチェットギアの開発者である代表取締役の山下直伸氏。これまでも30件を超える特許を取得してきた。このノウハウを活かし、現在は自ら開発した機構「Tロックギア」で建築や医療・介護などの新たな分野に切り込む。これはロック構造の中のツメをくさびにして強度を高めたもので、両方にロックがかかり、関節を確実に留める。

すでに医療用チェアのヘッドレストに採用済みだ。「世の中にないものをつくりたい。すでにあるものも視線を変えるだけで、まだまだ新しいものを開発できる」。そんな言葉そのままに社内はアイデアと活気に溢れ、ものづくりの原点たる空気が満ちている。「開発ラボでは終わりたくない。最適の原材料、工法を選び、最適な協力会社で部品加工、アッセンブリを自社で行うメーカーでありたい」。そしていつの日か向陽グループの創業の地・堺に工場を建て、海外にも販路をと夢は広がる。

向陽エンジニアリング株式会社
http://www.koyoeng.biz/
堺市北区長曽根町130-42-123(S-Cube) TEL 072-257-8000

ボタン操作により簡単に角度調整を行うことができる角度調整パーツ「Tロックギア」はガタつきなく、強固にロックさせることが可能。こちらは2軸のロックを同時解除でき、簡単に位置調整ができる「ヘッドレスト2軸タイプ」。

金具を小型軽量化することでコストダウンにつながり、量産化しやすいというメリットを備えている。「スムーズに角度や高さが変えられるといった機能は、在宅医療や在宅介護の現場でニーズがあると思います」(山下氏)