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一通のメールがきっかけとなった子ども用介護肌着のイノベーション

それまで白色がほとんどだった子ども用介護肌着が可愛らしい色柄のデザインとなった。それだけでなく介護にあたって、子どもと介護者両方の負担を減らす機能が盛り沢山となっている

ガローの考えを受け入れながら、養護学校で様々な意見を聞き、それらをフィードバックさせながら改善を重ね商品化した子ども用介護肌着。袖の部分にあしらったチェック柄がポイント

1964年、ガロー株式会社は総合卸問屋としてスタートしたが、1989年から子ども用肌着に特化し、オリジナル商品を製造販売している。注目したいのが子ども用介護肌着。きっかけとなったのは、脳性麻痺で寝たきりの子どもを持つお母さんからのメールだった。介護用肌着といえば白いものばかり。「可愛い肌着を着せてあげたいので作ってほしい」と訴えるメールに、代表取締役社長の堀田泰弘氏は立ち上がった。『ベッドでも着替えやすいアンダーウェア開発計画』として、同社の主婦パート従業員から母親目線の意見を取り入れ、明るく可愛らしい介護用肌着を完成させた。脇の下に保冷剤ポケット、体温計差し入れ口、ボタンの配色を交互に変えた掛け違い防止、肌に刺激を与えないタグの外付けなど様々な工夫を凝らしている。サイズも110cmから160cmまで広く揃えた。大阪府から経営革新計画の承認を受けた1年後の2016年11月、近畿圏実践型課題解決プロジェクト「Ai-SPEC 2016」で、武庫川女子大学とタッグを組み、介護肌着の市場調査と商品企画をおこない優勝。さらに2017年2月には「大阪府中小企業新商品購入制度」の認定商品に選ばれるなど順調に事業展開してきた。現在もバリアフリー展などのイベントで知り合った団体や障がいのある子どもの親の会などと話し合い、デザインや機能面での改善を図っている。「新規事業の介護肌着で嬉しい展開や出会いがたくさんあった。今後もこの事業の輪を少しずつ広げたい」

ガロー株式会社
http://www.garo-net.co.jp/
大阪市中央区瓦町4-5-3 TEL 06-6231-9851