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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
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まちの洋菓子店を応援する
「お菓子のミカタ」。

アンティーク調のデザインと繊細なエンボス加工が魅力のビジュー缶(上)。絵柄がかわいらしいサーカス缶と、太陽と月缶(下)。オリジナルの缶は食べ終わったあとも、大切なものを入れて手元に置きたくなるものばかり

その可愛らしさから、食べ終わっても捨てるのがもったいなく、大切な小物をつめてずっと残しておく。そんなお菓子の缶づくりで知られる大阪製罐は、創業71年目を迎える。これまでは大手洋菓子メーカーの缶を製造してきた。それが今、新たな事業で注目されている。その名も「お菓子のミカタ」。3代目となる代表取締役社長の清水雄一郎氏は、売上の減少に悩む街の洋菓子屋の実情を知るにつれ、少しでも手助けできればという気持ちが芽生えたという。
しかし大手メーカー相手の最小ロットは3,000缶だが、小さな店には無理な話。それなら提供のしかたを変えて、店が在庫リスクを抱えることなく、気軽に缶というパッケージを使ってもらえるような仕組みを考えた。「心を動かす缶」をコンセプトに、勲章が誇らしげに並んだ「勲章缶」や花束のような「ブーケ缶」などのデザイン缶を企画、製造しながらラインアップを拡大。さらに新しい取り組みとして東京恵比寿にショールームをオープン。ここでは自社の缶を使用した全国の洋菓子店から商品を仕入れて販売。さらにお菓子をモチーフにしたTシャツやノート、ペンケースといった雑貨も置いている。「洋菓子店の経営は拘束時間が長く、大変な仕事をされているので、自分たちがデザインしたアイテムをお店においてもらって、少しでも売上の助けになれば。壮大な夢ですが、いずれはそういうこともやってみたい」
お菓子のミカタは、あくまで洋菓子店のために始めたものなので、缶の個人向け販売はおこなっていない。「お菓子屋さんでしか買えない。だから店に買いに行く、という流れをつくりたかった」。清水氏の事業の進め方は、お菓子から連想される楽しさや遊び心に満ちている。店舗向けに缶の使い方を紹介するニュースレターの発行や、プロモーション動画からもそれは伝わってくる。「お菓子のミカタは、頑張る人を応援しているという感覚。最終的には“缶に入ったお菓子の価値が上がる”ところにつなげていきたい。そして関わる人たちすべてを、元気にできる取り組みも実践していこうと思っています」

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同社の遊び心がかいま見えるのが、プロモーション動画だ。ここに登場する缶缶が大好きなヒーロー「カンカンマン」を誕生させたのは清水氏。「当時は社長ではなかったので会社から制作費を出してもらえず、妻からお小遣いを前借りしてヘルメットなどを揃えました」。残念ながら誕生後しばらく、カンカンマンに活躍の場はなかった。それが数年前、清水氏が京都造形大学で講演したのをきっかけで、産学連携でプロモーション動画を製作することになり、脚光を浴びることに。「どんな困難にも負けずに缶を届ける」というテーマに合わせて、生徒からぜひカンカンマンを登場させたいと意見が出た。そして「ヒーローといえば爆破だ」という流れに。同大学の先生から紹介された太秦映画村の職人のもと、本格的な爆破シーンを撮影することになる。清水氏はみずから視野も狭いヘルメットで、砂利道を駆け抜けた。その映像の完成度は高い。「全国を探しても、ヒーローになって、爆破経験まである社長は僕ぐらいかも(笑)」。

爆走! 菓子缶ヒーローカンカンマン!
https://www.youtube.com/watch?v=K5z7ST6ODOY

大阪製罐株式会社
http://www.osaka-seikan.co.jp/
http://www.okashinomikata.com/
東大阪市岩田町2-3-28
TEL 06-6723-5545

東京恵比寿にあるショールーム「お菓子のミカタ TOKYO KO BOH!!」では、月1回ラインアップを総入れ替えしており、毎月違ったお菓子が購入できる

YouTube『爆走! 菓子缶ヒーローカンカンマン!』
お菓子のミカタ=「どんな困難にも負けずに缶を届ける」というテーマで、清水氏みずからヒーロー「カンカンマン」に扮して熱演した、プロモーション動画