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憧れの「全部のせ」なのにスッキリ!
理想のゲーム環境を叶えるデスク。

最新作の「ARCdesk slim」はアークシステム(特許技術)を採用しながら、一般的なデスク横幅90cmと省スペースで利用しやすくなっている

タニタのバーチャロンシリーズ専用コントローラー「ツインスティック」は、「ARCdesk mini」の120cmデスク幅にぴったりフィット

PCゲームをプレイするとき、基本的な操作はマウスとキーボードで十分。しかし高い操作性や臨場感を求めるなら、ハンドルコントローラーやフライトスティックなどの専用デバイスが欲しくなる。これら周辺機器はフルセットだと、かなり大がかりなシステムになってしまう。これがワンタッチで切り替わるデスクがある。Willow Gearの「ARCdesk」はコントローラーモードとキーボードモードを一瞬でON/OFFできる技術で、設置・収納・置場という課題を解決するゲーミングデスク。横幅180cmでトリプルディスプレイも設置可能だ。
ゲーマーにとっての夢のようなデスクを開発した、Willowの柳原氏も周辺機器の収納や出し入れにストレスを感じていた。「私もレースゲームが好きなのでプレイするときはハンドルコントローラーを使うのですが、ほかのゲームをするときには邪魔になる。いちいち片付けるのも面倒で」。それを解消すべく、デスクにスライド台と回転パネルを設置する特許技術「アークシステム」を開発。回転パネルに多数のネジ穴があり、用途に合わせて取りつけ可能。配線やタイラップ用の穴、ヘッドホンを掛けるフックが2ヶ所とデスク周りの使い勝手も考え抜かれている。また長年愛用できるよう、天板は総耐荷重70kgという硬質なメラミン化粧板を使用。
このデスクを一躍有名にしたのは2019年9月に開催された、日本最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2019」。こちらに出展し大きな反響を呼んだ。動画がTwitterにアップされ気がつけば1万リツート、50人ほどだったフォロワーも1000人に急増。多くのメディアに取り上げられ、一気に知名度を上げた。同年11月には、素材と機能性はそのままにサイズをコンパクトにした「ARCdesk mini」を発表し、さらに一般向けに幅90cmの「ARCdesk slim」も今秋販売予定だ。いずれは海外進出も考えている。「海外はレースゲームの土壌があり、メインターゲットとするハンドルコントローラーのユーザーが多い。出荷台数の桁も違うので、そこを取りに行きたいなと」

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サークルで生まれた友情が原動力に。

Willow株式会社は大学の同級生3人で興した会社。代表の高石氏と材料や倉庫を担当する喜多氏は、小学校の頃からの幼なじみ。このふたりと柳原氏が出会ったのは、近畿大学のユースホステラーズという、全国にあるユースホステルを旅して回るサークル。同い年の3人は4年間を共に過ごし、卒業して別の道を歩んでからも交流は続いた。
大のゲーム好きである柳原氏は以前からゲーミングデスクをつくりたいと考えており、あるとき実家が材木屋を営む喜多氏に声をかけた。柳原氏が3DCADで設計し、喜多氏が材料を調達して製造、それを高石氏が営業や広報するといった具合に、仲が良い3人組がそれぞれの得意する分野を担当する形でWillowはスタートを切る。自分たちがほんとうに欲しいものを目指して、倉庫の片隅で試作を繰り返す。それはシリコンバレーの黎明期さながらに。互いをよく知る仲間だからこそのチームワークで、未来を切り拓いていく。


Willow 株式会社
https://willow-games.com/
守口市大久保町1-1-7
TEL. 06-7503-8608



キーボードとマウスを使用する場合は「キーボードスペース」を使用し、レーシングゲームでハンドルコントローラーを使用する場合は「アークパネル」にワンタッチで切り替え