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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。

地域経済を牽引するプラットフォームが  
ものづくりを改革する。

門真プラットフォームとは、門真市内の金属・樹脂加工事業者のそれぞれの専門能力を集結させ、WebやAIを活用した営業力向上と顧客価値の高い製品供給による受注拡大をめざす企業連携プラットフォーム
https://pr.kadoma-platform.com/

住宅メーカー向けの住宅用金属加工製品を主軸に、設備、産業用機械部品・車輌用部品などの製造販売を手がける株式会社広伸。大手家電メーカー等の城下町として歴史を積み重ねてきた門真市で、同社は市内企業初となる地域経済牽引事業計画の承認を受けた。これは地域経済を牽引する事業を促進するために国が支援するというもの。今回承認を受けた事業計画の中心となるのは「門真プラットフォーム(KPF)」の構築と運営。市内のものづくり産業の集積を活用し、新たな商流開拓とプラットフォーム参画企業間の生産・営業情報の共有のためにデジタル化のしくみづくりを進めている。
「これは自社のためだけでなく、本来あるべき地域のための事業計画です」と語るのは常務取締役石川裕氏。以前から社内で自動見積もりやAIによる図面検索などの実現を考えていたが、そのしくみを社外にオープンにし、他企業も巻き込んで地域で活用できる形にしても良いのではと思うようになった。その思いが今回の事業計画につながっている。「無駄なことが嫌いなので。それはきっとみんな同じ。スマホだって最初、年配の人は敬遠していたが、気がつけば手放せないものになっている。そういうしくみをつくらないといけない」。KPFの中心となるのは同社のほか、門真市中小企業サポートセンターから紹介された株式会社一瀬製作所、設計・開発メーカーの株式会社スタッフの3社だ。
その活動の第1弾として京都信用金庫、宇治市、門真市の協力のもと、2021年10月~2022年3月に「門真市×宇治市 ものづくりWebマッチング商談会」を実施。期限は設けているが基本的にはオンラインでのやりとりなので今後も継続する予定だ。そのため重要となるのが企業集め。「実際にこういう案件があると提示しないと、点と点が線でつながらない。さらにこの線を束にしないといけないので」。まずは発注企業がアップロードした図面と依頼内容をもとに受注企業が見積もりをできるようになるシステムを構築することから。2022年から本格始動となる。
「プラットフォームに携わる人が一段上に上がれるようになればいい。今、人口減に働き方改革と課題はありますが、それを改善するきっかけにもなれれば」

>紙面からの続き

資格取得を社員のモチベーションアップにつなげる。

株式会社広伸は自社の強みに「豊かな人材」を掲げる。ベテランから新しい発想・目線を持つ若手までがともに働く同社では、有資格者が多数在籍。「うちの会社では、家を建てても内部に隠れるような部材を製造しているので、できあがったものが実際に使われているのを見てモチベーションが上がるということは少ない。それに変わるものとして資格取得を奨励しています」と常務取締役石川裕氏。住宅に携わる者として基本級の取得は必須、基本級はもちろんのこと、専門級の取得も推進し、鉄の溶接がメインだが、TIG溶接やファイバーレーザー溶接を駆使し、ステンレスやアルミの素材も手掛けている。溶接管理技術者1級を1名、2級を4名が取得。少し変わったところでは、数年前から取引をはじめたお客様が主催する溶接コンクールがある。これは大学や公設試験研究機関に協力を得て、「溶接品質」を外部・内部の両側面から客観的、且つ定量的な評価を行い、溶接技能水準の底上げを目的に開催されているもの。こちらにも参加し、表彰台を独占するなどつねに上位入賞しているという。また溶接だけでなく安全衛生・加工・品質・環境などの講習まで全てを含めると20種、約100名の有資格者が在籍している。社内ではプレスブレーキと溶接の社内コンクールも開催。優秀者には金一封が送られる。「動機づけがあると人は前に進める。保守的にならないためにも、刺激を与え続けていきます」

株式会社広伸
http://www.koshin-k.com/
門真市四宮4-5-22
TEL. 072-883-0660

商談会では、受注側企業が「得意とする技術」、発注側企業が「解決したいニーズ」を登録。事務局で事前マッチングし商談へ。発注企業からも関心のある技術をもつ企業にアプローチ可能な「逆指名制度」も

広伸は住宅用金物の溶接をメインとする会社。一瀬製作所は意匠性の高いステンレス製建具や建築装飾金物の製作。スタッフは回路、基板からソフトウェア開発・試作・機構・筐体設計・量産までこなす開発メーカーと、業種も違う3社によるプラットフォームづくりがはじまった