高い開発能力とノウハウに裏打ちされた技術をブランド化

成功のツボ

挑戦:工程の大幅短縮、コスト削減を実現する次世代金型の研究開発
成果:製造コスト3割カットの金型展開

事務用や空調からデジタルまで、幅広い機器のプレス用金型を手がけるエキスパート、小西金型工学。創業以来のノウハウをもとに、高い技術力で開発した「コーニシュ金型VE技術」が、業績を一気に飛躍させた。

1万点以上の金型製作の実績、それこそが実力

 かつての金型製作手法は、高度な熟練職人の経験と勘がつくりだす芸術的領域に近かったが、近年はNC工作機械やCAD/CAMの導入により、知識集約型のハイテク産業へと変身しつつある。時代は移っても、小西金型工学をその腕ひとつで立ち上げた小西智實雄社長は、今も現場に立つ。

自動車部品、スチール家具、自動販売機などをはじめとする各種金型や、研究型、順送型、ロボットライン型ほか金型を製造

 同社の金型設計は、小西社長のアイデアが詰め込まれたスケッチで金型をデザインし、それを元に社員がCAD図面を製作する。ただ加工は図面で意図した通りにはいかない。金型は職人が何度も修正を重ねてようやく完成に至る。そのためにはプレスした瞬間に鋼材がどう変形するか、金型にどんな負荷がかかるのかを知り尽くしたうえで、修正する技術が求められる。
 これまで手がけてきた金型は一万点以上。同業者が匙を投げたようなものを、やり通すことで認められてきた、そんな自負もある。
 「海外が半分のコストで金型をつくるなら、こっちは設計の工夫で製品の製造工程自体を縮めればいい。しかもうちの金型は長く持つ。型のつくり方が違いますから」と小西智實雄社長。

製造業が抱える問題、商品ではなく「技術を売る難しさ」

次世代のものづくりに向けて、若手社員も積極的に採用。「当社は“営業ゲンバ男子”を育てている」(小西統括部長)。だから現場でのものづくりはもちろん、展示会にも立たせるし、商談にも行かせるという。また大阪府からインターシップ制度を導入している。「うちの若手の教え方が上手くて、驚いています」

 精密な設計、複雑な曲げ加工、そんな類まれなる匠の技であっても、技術を売るのは難しい。1968年の創業以来、大阪のプレス金型製造のエキスパートとして堅実な成長を続けてきた同社においても、それは同じであった。リーマンショック後、小西智實雄社長の後継者である小西統括部長は、金型設計に携わるだけでなく、営業でも精力的な動きを展開してきた。そして同時に「技術を売る難しさ」を痛感していた。自社のように、高度な技術であるほどに伝えにくいことも。
 セミナーや交流に頻繁に出かけ、必死になって新規開拓のためのヒントを探っていた。「大阪発明協会やMOBIOカフェといった、行政のセミナーをフルに活用させてもらいました」と小西統括部長は語る。そのなかで技術をブランド化して価値を高め、説得力を持たせることが必要だと気づく。
 2013年には、同社の技術の粋を集め、先の社長の言葉を具現化した、まったく新しい金型技術を開発。
 「これまでなら、機械加工と複数工程が必要であった複雑な加工を、プレス機一台で現実できるものです。高効率で生産性も向上でき、結果として、人件費・設備・時間までの短縮が可能。顧客の利益に大きく貢献できる製品です」

画期的な新技術をブランド化して、認知度を高める戦略が実った

 これをいかに売り込むか。技術をブランド化するには、独自性を持ったネーミングが必要、とこの革新的な金属プレスVE金型技術を「コーニシュ金型®」と名づけ、商標登録もした。展示会に多く出ることで、「コーニシュ金型®」は多くの人々に強力に認知されていった。ブランドがあることで、イチからの技術の説明が不要となり、この技術を使って企業の困りごとを「どう解決するか」というところから話が始められるのもメリットだ。

熟練の域においては、手加減=力の微妙な入れ方や作業するタイミングなど、言葉や文章では言い表されないものがあり、それらは体で覚えるしかない

 「工程短縮を求める大手企業との共同開発案件が急増しており、試作から量産提案までサポートして欲しいとの要望も多くなりました」
 社長が培った50年を超える金型設計の経験と技術、それをブランド化する営業戦略、さらには小西統括部長の出身である近畿大学の研究機関 ・リエゾンセンターと協力的な関係を構築し、学術的な視点もあわせて、 さらに進化したものづくりにつなげていく。

ブレイクタイム

Q

趣味は何ですか?

A

スキー、ピアノ、仏像彫刻。スキーは一日券を購入して、朝からずっと滑っています。ピアノは娘が使わなくなったので、ためしに弾いてみたら楽しくて趣味になったんです。仏像と金型とは「彫る」という共通点があるんですよ。

Q

最近いちばん嬉しかったことは?

A

自分には真似のできない営業を、息子がしっかりやってくれていること。それと家族が元気よく一緒に働けていることですね。

企業概要

企業名
株式会社小西金型工学
コア技術
VE(バリューエンジニアリング)金型技術
代表者
代表取締役 小西智實雄
住所
〒579-8014 東大阪市中石切町6-4-47
電話番号
072-981-3477
企業紹介
http://www.m-osaka.com/jp/takumi/2041/
企業HP
http://konishikanagata.sakura.ne.jp/
資本金
1000万円
従業員数
11名

認証:大阪ものづくり優良企業賞2009、2010KANSAIモノ作り元気企業100社、平成23年度ものづくり日本大賞、関西ものづくり新撰2014